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シリコンバレーの会社で働いていた30代の徒然なBlog

30代家族持ちで英語スキルは一人旅行レベルのザ日本のリーマンがシリコンバレーにある外資企業で働く事になった事を綴った日記。

日本のデジタル広告運用構造のおかしさを海外と比べてみた

 

米大統領選も落ち着き、思った以上に円安になりちょっと驚いています。そして日本では、いやネット業界では結構重い日常が問題視されています。

 

www.buzzfeed.com

この記事に書いてあるITに関する業務は殆ど本当です。当たり前とは思わないですがかなりリアルな話しとなっており、今後どう改善していくのかというのが注目すべきところかなと。以下、引用しながら業界外の方でも分かるように且つ、業界内の人に提唱したい事を書いていきます。

 

さらに、枠を確保してデータをとったあと、それを分析する人も必要になる。ネットメディアに溜まった加工される前の数字、Excelなどにまとめたデータ自体は、ただの数字の羅列にすぎない。読み解くには一定のリテラシーが求められる。
多くのクライアントが求めているのは、データを落とし込み、誰でもわかる形式になった「レポート」だ。
それも「ネット広告ならすぐデータが出せるだろう」と日々の報告を要求するところもある。ここでも「手作業」が発生するため、誰が担当するのか。結局、人手の問題になる。
電通では主に入札や基礎的なデータまとめを子会社が、レポートの作成やクライアントへの報告などを電通社員が担当していたという。
「クライアントによっては、データ分析を期待して、前日の運用実績を朝までにというところもあります。そうなると、1日の運用を終えて、夜からレポートを作り始める。出来上がる頃には、朝になる。そんなことだって珍しくない」(電通社員)

 本当にこのとおりです。様々な数字が見える事でマーケティングし易いデジタル広告マーケティング。その一方でレポートの形も各クライアント用に用意しなくてはいけないのが現実です。しかし、その状態を招いている簡単且つ大きな理由は2つだけだとと考えています。

 

・代理店が管理画面をクライアントに開示しない

・クライアントのビジネススコープが狭すぎる

 

私が上記2つを感じ始めたのは今の会社に入社してからです。それまでは代理店フィーという形で広告費の10〜20%、高ければそれ以上のフィーを代理店は設定します。%なので、バジェットによってその獲得額は変化しますが、大抵はQ予算として数百万〜数千万の額になると思います。そして、コンペになると代理店フィーを削るチキンレースの始まりとなります。

 

具体的に広告主と代理店のビジネスモデルは?

業界の人なら当たり前の話しなので飛ばしてもらって良いです。

 

例えばA社の広告予算として1000万円があります。この1000万円はKPIと呼ばれる目標が設定されています。提案の時点でどのメディアにどのようにアロケーションさせていくかを代理店は提案します。そして代理店フィーを含むのか乗せるのかでも大きく代わりますが、最近では込みで、というのが多いと思います。その結果として

 

クライアントが用意した広告費:1000万円

代理店フィー:200万円(20%)

メディアフィー:160万円(20%)

メディア原価:640万円

代理店売上:1000万円

 

そして、目標となるKPIがアプリインストールとして分かりやすく1000円とすると、

 

CPI:1000円(メディアフィー含む)

 

となるので、実質決められた期間で6,400件が目標数値となります。最近のデジタルはCPI固定も増えてきていると感じますので、代理店運視点では割りと楽になってきているかと思います。何が大変かというと、CPCやCPM等アプリインストールにかかる予算が目標を上回った場合の原因と結果、そして傾向と対策という過去現在未来を繋げた場合に見えてくる仮説やPDCA設計に時間がかかります。もう少し詳細に言うと、何故そうだったのか、その根拠となるものを数字から、市場から、競合から様々な視点から説得力を得られる数値を見つけなくてはいけません。これがものすごく時間がかかる。例えば、IMP(表示回数)は凄く良かったがCTR(クリック率)が低かった。クリエイティブにこういう課題が考えられる。そしてその後クリエイティブをこういう風に改善した。もしくは、ビッティングコストが結構高騰していた(季節要因とか、良い、著名なメディアを指名しすぎたとか)とか。ボトルネックが分かっているので改善可能というレポートを用意しないといけません。その間、クライアントは定例や日報等で状況を把握します。

 

これが、海外の場合だと、クライアントサイドの担当者が日々管理画面を見てメディアの担当に指示を出します。代理店が存在しません。司令塔はクライアントの担当者です。ここが大きく違います。敢えてここでビジネスモデルの比較をしてみると

 

クライアントが用意した広告費:1000万円

代理店フィー:200万円(20%)

メディアフィー:200万円(20%)

メディア原価:800万円

代理店売上:1000万円

 

 

プレイヤー(代理店)が減っているのでその分、獲得量も同じ予算でも増えます。そして、クライアントサイドの担当は経験を得られます。上記のメディアは1つならまだしも、複数を運用するとかなり大変であるという事はあります。その際には代理店に頼むという事も無くはないでしょうが、実際はディレクションが上手い人間で有ることと、裁量がそれなりにある担当者であれば複数のメディア運用は可能でしょう。これをお金で解決するクライアントが日本には多いのです。代理店が多いからというのもひとつの理由でしょうが。

そこで、提案したいのは自社でデジタル広告運用の部署を作ること。です。ハウスエージェンシーと呼ばれるものです。デジタル広告は一日にして成らずです!そういうものを作るタイミングではないでしょうか。代理店が多すぎるという理由もあると思います。しかしその殆どはTwitterFacebook等のソーシャル運用で売上を作っています。つまり、どこに頼んでも同じ。なら代理店フィーが低いところに任せよう。みたいな形になってしまう事が多くなってしまいがちです。固定費を持つ事でコストとしては定期的に増えると思いますが、ノウハウやナレッジなどは自社に溜まります。え?それだけ?じゃー代理店に任せた方がいいじゃん!となると思いますが、それを苦にしない形にしたのがアドテクです。

アドテクはKPIを設定してアルゴリズムがそれに沿った形でビッティングを行います。なので、管理画面を見ていれば良いのです。リスティングであるとその限りではありませんが、初期設定と定期的なチューニングで運用コストを抑えたのがアドテクです。なので、それらを駆使する事で蓄積されたデータをDMPに為、流行りの言葉で言うと自社チームでビッグデータマイニングを行い広告効果を高めていくという事が可能となります。代理店に頼まないメリットも色々生まれます。

・自社のデータを外部流出する必要が無い

・管理画面を共有出来るので運用が楽

・自社都合で色々運用出来る(一時停止やABテスト等)

なので、自社でそれぞれデジタル広告運用体制がある事は改めて必要だと感じています。規模はケースバイケースとなりますが、取り敢えずは代理店を外す事でのメリットを考えてみてはどうでしょうか。

 

「それに加えて、数字をもとにした要求もクライアントから届くようになる。『電通さんなんだから、数字を出せるでしょう。どうして出せないの?改善したレポートを出してくださいよ』。しかし、ネット広告の世界はいままでのテレビや新聞とまったく別物です。成果がはっきり出てしまう。それなのに人手不足。構造自体がパワハラになっている」

 

構造をおかしくしたのは代理店とクライアントです。構造としてはピラミッドヒエラルキーで見るトップダウン構造ですね。オーダーとしてはそうなりますし、そもそも現場がどんな管理画面で見ているかとか上層部は知りません。知る必要も無いとか思っているかもしれませんが、知ることで見える事ってたくさんあります。

 

まとめ

この件については色々とレポーティングしていきたいと思っていますし、外資で培ったノウハウを活かして各社にコンサルでもしようかと思っています。構造がおかしいというのは利益構造もおかしいはずです。当たり前を疑う事が出来なければいけないPhaseではないでしょうか。代理店を排除する事が目的では無く、代理店としての役割が河合ってきているという事に代理店が気づきポートフォリオを変えていかなくてはいけないと感じています。