日本のアドテクはパブリッシャーやアドネットワーク企業のビジョンによって左右される(と思う)
春の陽気というよりは初夏の気候を感じる今日このごろ。ネット業界では本日グノシーが上場しました。キュレーションメディアとしての上場が今後IT業界にどのように影響させるのかが楽しみです。IPOゴールと揶揄される昨今、非常に期待しています。
さて、タイトルについてですが世間ではネイティブアドやアドテクという言葉が尾をつけて色々と批評されています。
この記事を読んで思ったのは、言葉は悪いですが非常に低レベルな内容です。これが現在の日本のネイティブアドをはじめとするアドテクの一般的な理解なのでしょうか。
論点がなんか違う気がする
上記記事内では”広告である”という見出しをつけるとPVが激減するというパブリッシャーサイドの課題を挙げています。この広告表記でPVが激減を紐付けるだけではネイティブアドの定義云々とは言いにくいのではないでしょうか。
確かに、広告という言葉に対しアレルギーを感じるユーザーも少なくは無いと考えられるため安直に”広告です”と表記する事でPVが上がるよりは減るという考えになり易いだろう。その為、JIAAが定義した事で一般に普及すると困るというのが垣間見れます。
また、記事の最後にはJIAAがやっかいものだ、というようにも感じ取れるような書き方となっており、ネットメディア側の”余計な事すんなよ”みたいな気持ちが感じ取れます。
iABの障りが一切記載されていない
この記事を読んで思ったのは海外の状況が一切触れられていない件です。そもそも昨年の8月にJIAAはIABとコラボして日本でのガイドラインを作ると宣言しています。
私はこのIABのガイドライン”Rising Star”の内容を知っています。JIAAはこのIABのガイドラインを参考に作り、出来上がったのが今年の3月です。
内容は殆どIABのRising Starと変わりません。日本でのオリジナルなんてのは殆ど感じませんでした。つまり、これはイコール、アメリカのガイドラインと言っても過言ではありません。つまりガイドラインに対して文句を言っているという事は、別な言い方をすれば「我々(私)のちょんまげ文化は今のままで良い!」というまさしく鎖国していた明治維新前の日本にイメージが被ってしまいます。
パブリッシャーだけでは無くアドネットワーク企業も時代遅れ
メディア運営者を取りまとめているアドネットワーク。今ではRTBやSSP,DSP,DMP等様々なアドテクが米国を起点として日本でも割りとスタンダードなキーワードになってきました。(業界だけかな?)
いわゆるメディアを束ねてCPMやCPC、CPIにて広告在庫をコントロールする役割を担っています。メディアはそのアドネットワークが提供するタグやSDK、API等を使い広告在庫を提供します。そうすることでメディアサイドは独自で広告獲得に動かなくても自動的に広告が配信されます。それを更にラクにするのがSSP等で、それをさらに効率的にするのがRTBです。
例えば、日本では動画広告というのが流行っている(ように感じる)ですが、300*50のサイズのバナーに動画を流すのが良いのか?と些か疑問でもありますがそういう会社もあります。動画を流す環境は整ってきているが既に諸外国では強いて言うと5年前くらいからそういう経験を踏まえて今のガイドラインが作り上げられています。日本は広告に動画を使おう!、一方アメリカは動画の見せ方を考えよう!という感じで一歩も二歩も進んでいます。
日本も独自の進化を経てソーシャルゲーム市場なんかは世界で一番になりました。アドテクやネイティブアドの広告業界もこの流れに乗じて世界と同じくらいの経験を経て大きく成長していきたいところです。私もこの広告業界を担うひとりなので尽力していきたいと思います。
今後もこのような記事には色々と注目していきたいと思います。